静岡県西部の遠州地区の祭りで使用している銀巻笛です。
明治生まれであった祖父が試行錯誤しながらこの技術を構築して、作り上げてきたものです。
代々受け継がれた技術を更に更新をして今日の作品となっております。
まだ銀の細工を施していない状態の篠笛
完成写真
様々な技法を施した完成度の高い作品です
一つ一つの金具を時間をかけて独自の技術で丁寧に隙間なくきっちり巻いていきます。
特に緩みにくく外れにくいものとなります。
槌目の部分は色上げ作業をして白仕上げになっていて、磨き上げた照り仕上げ部分との対比がとても綺麗な仕上がりになっています。
全体に磨きをかけてしまうとバフ粉による黒ずみが目立ってしまい、
陰影が消えてしまうことで少し残念な仕上がりになってしまいます。
他では真似のできない技術と、基本となる知識が作品の完成度につながっています。
細かな部分をご紹介いたします。
歌口回り部分
槌目の細工はとても繊細な作業です。
数か所に入れるので統一感が大事になります。
金と銀を使った飾り金具
透かし技法で細工した金具部分は時間をかけて丁寧な作業になります。
槌目の部分に合わせて巻くのも大変な仕事になっています。
指回り
平打ち加工にラインを入れて2本巻いているかのように見えています。
金でのもみじの細工も綺麗に仕上がっています。
下地の部分には鏨細工(たがね)による隠し彫りが施されていて、角度によって見え隠れします。
お客様のご要望に合わせて他のアレンジも可能です。
下部分
おしりの部分は笛の内側に巻き込むように内側まで巻いています。
内側の部分は一切削らずに巻き込む際はかなり気を使って仕上げております。
銀は空気中の硫黄分によって硫化して黒ずんできますがそれは銀の持っている特質であるのでそれこそが長年の味になるものと考えます。
銀をまく時期等湿気が関係しますが、当店では独自の技術により問題なく、特に気にはしておりません。
ご依頼の際はお気軽にお問い合わせください。
お手入れ
基本,ぬるま湯に重曹を混ぜて軟毛のブラシなどで軽く洗い流します。
そのあとは、柔らかいタオルなどで軽くふき取るくらいでいいと思います。
この他、硫化防止の液につける方法や、練り磨き剤で磨き上げる方法もあります。
長年使用していく中で、硫化による多少の色変りも、使っていく中でその人、その笛それぞれの特徴、個性だという思いをお持ちいただき、
それぞれの笛への思い入れもより強いものにしていただければと思います。
注意
ご自分でバフ等磨きをかけることは、細工部分が緩んだり磨き粉などが詰まってしまって逆に黒ずみの原因になってしまいますのでお勧めいたしません。
※この他の作品集もご覧ください。
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